「学習する組織」の読後メモ

最近マネジメント系の本を読んでます。 「学習する組織」も3月末くらいに読み終わってました。 Kindle版無いので、ここでメモを残します。

http://www.amazon.co.jp/dp/4862761011

メモ

まずこの仮定:

P.35 L.6

将来、真に卓越した存在になる組織とは、組織内のあらゆるレベルで、 人々の決意や学習する能力を引き出す方法を見つける組織だろう。

組織についての指摘:

P.66 L.11

昔から、組織は細かく要素に分けることによって、意思決定が及ぼす影響の幅広さに向き合う困難を克服しようとする。 人々が「理解」しやすい職務の階層を設けるのだ。だが、職務別の部門がやがて領地になり、 かつては機能していた分業も、職務間の交流を断ち切る「ストーブの煙突のごとき縦割り」に変質する。 その結果、会社内の最も重要な問題である、職務の境界をまたぐ複雑な課題の分析は、 危険な作業となるか、あるいは全く行なわれないものとなる。

問題解決のための安易な対策が足枷になる場合がある:

P.114 L.10

主となるシステムの「助け」になるが、結果的には、以前に比べてそのシステムを根本的に弱体化させ、 いっそうの助けをさらに必要とさせるばかり

さらに問題のすり替わりについて:

P.168

戦略的方向性のぐらつきや、競争優位の喪失の根底には、「問題のすり替わり」の構造かある場合が多い。 ハイテク企業のある経営幹部の一団は、自社が、 画期的な新製品を市場に投入していないことによる「競争力喪失」を深く懸念していた。 既存の製品を改善するほうが危険は少ない。だが幹部たちは、 ブレイクスルーではなく漸進主義の文化が培われていることを恐れていた。より安全かつ予測可能で、 計画と組織化がより容易な、改善のプロセスがあまりにしっかり確立されていたので、 幹部たちは、自社が基本的なイノベーションの能力をもはや持ち合わせていないのではないかと疑っていたのだ。

直観の扱い:

P.231

マネジメントにおいて、直観は、公式には何十年にもわたって無視されてきたが、 近年、次第に注目を集めており、受け入れられつつある。今では、多数の研究によって、 経験豊富な経営者やリーダーが大いに直観に頼っていることが明らかになっている ——そういう人たちは複雑な問題を理性一辺倒で解決するわけではないのだ。 勘に頼り、パターンを認識し、ほかの一見共通点のない状況を直観的に引用し、 それと比較する。...しかし、組織、そして社会では、直観と合理性を再統合する道のりはまだ遠い。

自己成長の取り組みに対するマネジメントサイドの捉え方:

P.237

どんな針路にせよ個人の成長という道程を踏み出すことは、 人それぞれの自由な選択であることを常に肝に銘じなければならない。 誰にも自己マスタリーを強制することはできない。強制すれば裏目に出ることは間違いない。 組織がメンバーの自己マスタリーを強引に奨励すると、とても難しい状況に陥ることになるだろう。

リーダーシップについて:

P.239

リーダーシップの中核戦略は単純明快だ。「模範たれ」につきる。

メンタル・モデル:

P.240

「あと一息というところでの失敗」は、意志の弱さやためらい、システム的な理解の不足が原因なのではなく、 メンタル・モデルが原因なのだという認識が次第に広まっている。

メンタル・モデルを管理するディシプリンーー世界はこういうものだという頭の中のイメージを浮かび上がらせ、 検証し、改善するーーが「学習する組織」の構築にとって画期的な大前進となる。

P.275

すべてのメンタル・モデルをその時の状況に照らして熟考し、検証しなければならない。 そのためには、組織全体が「真実に忠実であること」が必要であり、それは自己マスタリーから自然に生まれる。

ビジョン=何を創造したいのか:

P.282

今日、「ビジョン」は企業のリーダーシップではおなじみの概念である。しかし、注意深く見てみると、 ほとんどの「ビジョン」は一人の人間(あるいは一つの集団)のビジョンを組織に押しつけたものだとわかる。 そのようなビジョンでは、せいぜい従うことを強要するくらいであり、 我がこととして責任をもって取り組むこと(コミットメント)はおぼつかない。 共有ビジョンは多くの人が心から打ち込めるビジョンであり、 それは共有ビジョンに自分自身の個人ビジョンが反映されているからなのだ。

モチベーションの源泉は恐怖ではない。:

P.307

組織のモチベーションとなる基本的なエネルギー源は二つある。 恐怖と大志だ。否定的ビジョンの根底にあるのは恐怖の力である。 肯定的ビジョンを動かすのは大志の力である。 恐怖は短期的に驚くべき変化を生み出すこともあるが、大志は学習と成長の絶えざる源泉として持続する。

優れたチームの一指標。よい対立(緊張)は必要:

P.337

一般に流布している社会通念には反するが、対立がないのが優れたチームではない。 それどころか、私の経験では、絶えず学習しているチームの何よりも信頼できる指標の一つは、 考え方の対立が目に見えることだ。優れたチームでは、対立が生産的になる。

すべてを管理することは不可能:

P.445

より深い対話の場が創られると、副産物として学習するコミュニティが生まれる。 このような「社会的な場」が意識的に造り出され、継続されることは大切なことである。 だが同時に、学習するコミュニティの構築が、 管理や操作を必要としない自然なプロセスだということに気づくことも大切なことだーーむしろ、 これを管理しようとすれば、たちまち失敗に終わるだろう。

マネジャーの取り組み姿勢について:

P.481

真の教師になるためには、まず、学習者にならなくてはならない。 実際に、教師自身の学習に対する情熱は、その専門家としての知識と同じくらい、 生徒たちに刺激を与える。だからこそ、組織学習のツールや理念に真剣に取り組むマネジャーもまた、 単なる「提唱者」や伝道者ではなく、実践者でなくてはならないのである。

おわりに

とても示唆に富む内容だったので、Kindle版を一刻も早くだして頂きたいです。

次「U理論」読めたらまとめを書いてみます。では。